心理カウンセラーとして独立開業する場合、どのような手順に沿って事業を始めるとよいのでしょうか。本記事では、資格取得から営業開始までの手順を簡潔かつわかりやすく解説します。場所選びや集客方法、成功させるためのポイントから注意点までくまなくチェックしていきましょう。
目次
心理カウンセラーの独立開業は簡単!?手順は4ステップ
心理カウンセラーとして独立開業するまでの手順は4ステップで、手間・資金はそこまでかかりません。
<心理カウンセラーとして独立開業する手順>
- 心理カウンセラーとしてのスキルを身につける
- カウンセリング方法を決める
- 開業に向けた準備をする
- 税務署に「開業届」を出す
各ステップをくわしくご紹介しましょう。
①心理カウンセラーとしてのスキルを身につける
まずは心理カウンセラーとしてのスキルを身につけます。重要なのは資格と経験です。どのような心理カウンセラーになりたいのか方向性を定めて、それに必要な資格を取得しましょう。
②カウンセリング方法を決める
カウンセリング方法は大きく4種類にわかれます。
<主なカウンセリング方法>
- 店舗を用意する対面形式
- ビデオ通話やチャット、メールなどのオンライン形式
- 電話相談形式
- クライエントの自宅などを訪れる出張形式
それぞれにメリット・デメリットがあります。対面形式なら直接顔をあわせられるためカウンセリングしやすい反面、家賃や人件費などで多額のコストを見込まなければなりません。オンライン形式や電話形式はコストを抑えられますが、クライエントの表情が見えない場合があることや、ニュアンスが伝わりにくいことが欠点です。
③開業に向けた準備をする
開業に向けて以下の方針を定めましょう。
<開業に向けて準備すべきこと>
- カウンセリング場所を決める
- 料金設定を行う
- 集客方法を決める
それぞれ、このあとの項目でくわしく解説します。
④税務署に「開業届」を出す
開業前に、税務署に「開業届」を提出する必要があります。氏名や屋号、概要などを記入するだけなので、手続きそのものは簡単です。株式会社を設立する場合のみ、法務局で別途登記手続きが必要になるため注意しましょう。
独立開業してカウンセリングルームを開く場所はどこがいい?
独立開業してカウンセリングルームを開く場合、以下の4つが主な候補地です。
<カウンセリングルームを開く場所の候補>
- 自宅
- 飲食店
- レンタルスペース
- テナント
場所ごとの特徴を見てみましょう。
自宅
自宅の一部をカウンセリングルームとして利用する方法です。その他の方法と比べて気軽に始められ、家賃もかかりません。ただし対面式かつマンションなどの集合住宅でカウンセリングを実施する場合、規約により事業用としての利用が認められない可能性があるため注意しましょう。
飲食店
カフェやレストランなどでクライエントと待ち合わせてカウンセリングを行う方法です。コストを最小限に抑えられ、自宅に人を招き入れる必要もありません。欠点はプライバシーを守りにくいことで、クライエントから敬遠される恐れがあります。
レンタルスペース
貸し会議室などのレンタルスペースを利用してカウンセリングを行う方法です。実店舗を構えるよりもコストを抑えやすく、プライバシーを守りやすいといった特徴があります。ただし、アクセスのよい場所を選ぶとレンタル料が高額になりやすいことが欠点です。
テナント
テナントを借りてカウンセリングを行う方法です。家賃がかかることや、入居審査に合格する必要があること、高額な初期費用がかかることがデメリットになります。しかし基盤となる場所を持てることにより、クライエントからの信頼を得やすいことは大きなメリットです。
フリーランスカウンセラーとして業務委託で働くことも可能
フリーランスとして働く選択肢もあります。多くのクライエントを抱える企業と業務委託契約を結ぶことで、店舗の設置問題で悩む必要がなく、仕事も安定しやすいでしょう。実績を重ねて信頼を確保すれば、複数の企業を掛け持ちできる場合もあります。
心理カウンセラーとして独立開業する際の集客方法
独立開業する場合、以下の方法を駆使しながら集客するとよいでしょう。
<心理カウンセラーとして独立開業する際の集客方法>
- ホームページを作成する
- モニターに感想をもらい、ホームページに掲載する
- SEO対策を行う
- SNSで宣伝する
- Web広告を出す
具体的な内容に触れながら解説します。
ホームページを作成する
初歩的な対策としてホームページ作成は必須です。とくに以下の内容は必ず掲載しましょう。
<ホームページに掲載する基本的な内容>
- 得意とする相談内容
- 営業時間や料金システム
- キャンセル規定
- 対面の場合、店舗の住所や最寄駅からのアクセス
- カウンセラーの名前、顔写真、実績、保有している資格
- カウンセリングルームや店舗内の写真
ホームページを使って宣伝し、顧客を見つけるのが集客方法の基本です。
モニターに感想をもらい、ホームページに掲載する
クライエントは口コミ・評判を重視します。とくに実績の少ないカウンセラーにとって口コミの有無は重要な要素です。モニターとして無料、もしくは割引で集客したクライエントからの感想をもらい、嘘偽りのない内容をホームページに掲載しましょう。
SEO対策を行う
SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンの検索結果で上位に自社ホームページを表示させる対策のことです。カウンセリングに関連するキーワードを使った記事を多数用意して、ホームページへの集客力を高めましょう。
SNSで宣伝する
TwitterやInstagramなどのSNSを使って宣伝を行います。後述するWeb広告やチラシなどと違い、宣伝費用がほぼかかりません。専用アカウントを作って見込み顧客をフォローするなど、積極的に活動しましょう。
Web広告を出す
広告宣伝費の予算がある場合はWeb広告を出します。広告費がかかりますが、SEO対策が間に合っていなくても検索結果に自社ホームページを載せられるため効果的です。ブログやSNSの広告欄にバナーを出稿してもよいでしょう。
心理カウンセラーとして独立開業を成功させるためのポイント
独立開業を成功させるポイントを4つご紹介します。
<心理カウンセラーとして独立開業を成功させるためのポイント>
- 開業前に競合をリサーチしておく
- 得意分野やターゲット層を明確にする
- 開業後も常に勉強し、新しい知識を身につけていく
- カウンセリング以外の仕事も検討する
いずれも経営を安定させるために重要なポイントなので、細かく確認しておきましょう。
開業前に競合をリサーチしておく
周辺にある競合店のリサーチはとても大切です。同様のサービスを提供するお店がある場合、サービス内容や料金設定などを確認しましょう。比較された際に見劣りする内容では、顧客が競合に流れてしまいます。
得意分野やターゲット層を明確にする
得意分野やターゲット層を明確にしましょう。心理カウンセラーの資格は、医療系から福祉系、家族や仕事に関するものまでさまざまです。どのような相談への対応が得意なのかを明確化することで、それに合ったクライエントからの依頼を受けやすくなります。
開業後も常に勉強し、新しい知識を身につけていく
開業後も心理学などの勉強を進めて、知識のアップデートを欠かさずに行いましょう。時代によって人の悩みは変わるため、カウンセラーに求められる能力も変化します。新しい資格を取得することで最新の知識が身につくほか、カバーできる相談の範囲も広がるため一石二鳥です。
カウンセリング以外の仕事も検討する
独立開業すれば、カウンセリング以外にも自分の好きな仕事ができます。たとえば後進を育成するためのスクールを開いたり、心理学に関するセミナーを開催したりなど、資格の知識を生かしながら多くの業務に携わることも可能です。
心理カウンセラーとして独立開業する際の2つの注意点
心理カウンセラーとして独立開業する際は、以下の2点に注意しましょう。
<心理カウンセラーとして独立開業する際の2つの注意点>
- 経営が軌道にのるまでの生活資金を準備しておく
- 屋号に「クリニック」を入れない
具体的に注意すべきことをわかりやすく解説します。
経営が軌道にのるまでの生活資金を準備しておく
開業直後は予想に反してクライエントが見つからず、運転資金ばかりがかかり赤字経営に陥るかもしれません。資金が不足して事業が成り立たなくなると廃業せざるを得なくなりますから、目安として6ヶ月くらい先まで収入がなくても経営や生活が続けられるだけの資金を準備しましょう。
屋号に「クリニック」を入れない
「クリニック」という屋号をつけるのが認められているのは診療所だけです。医療機関以外の施設がクリニックを名乗ると、医療法により処罰されるため注意しましょう。
まとめ
心理カウンセラーとして独立開業するまでの流れは比較的簡単です。まずはカウンセラーとしてのスキルを身につけ、運営方針を定めましょう。開業後はホームページを作成し、あらゆる方法を駆使して集客します。経営を安定させるためには最新かつあらゆる知識が求められるため、開業後も新しい資格を取得するなど、勉強を続けることも重要なポイントです。
実際に心理カウンセラーを目指したい方におすすめの通信講座2選
今回は初心者でも在宅でプロの心理カウンセラーを目指せるおすすめの資格通信講座を二つご紹介します。
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