カウンセラーとセラピストは何が違う?役割・クライエント・資格・職場の違いをご紹介

セラピスト カウンセラー 違いは?

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カウンセラーとセラピストについて「同じ仕事」と考える人は多いかもしれません。しかし、この2つの仕事には大きな違いがあります。本記事では、カウンセラーとセラピストの役割・クライエント・資格・職場の違いを解説するので、どちらの仕事がご自身にマッチするか参考になさってくださいね。

カウンセラーとセラピストの違いって何?

カウンセラーとセラピストの違いは大きく以下の4点です。

<カウンセラーとセラピストの違い>

  • 役割
  • クライエント
  • 資格
  • 職場

それぞれの違いをわかりやすく解説します。

カウンセラーとセラピストの「役割」の違い

カウンセラーとセラピストは、職務上で果たす役割が異なります。端的にいえばカウンセラーは受動的、セラピストは能動的な役割を果たすことが特徴です。それぞれの役割を見てみましょう。

カウンセラーの役割

カウンセラーは、相談者の言葉を傾聴し、共感する役割を求められます。受動的な姿勢で相談者に寄り添い、相談者自身が解決への道を見つけるサポートをすることが特徴的です。

セラピストの役割

セラピストは、相談者の症状を聞いたうえで、具体的な解決策を提示します。相談者に対して能動的に接するのがセラピストの役割であり、相談者はセラピストの意見を聞き入れるのが基本です。

カウンセラーとセラピストの「クライエント」の違い

クライエントとは来談者(相談者)のことです。カウンセラーとセラピストは、対応する相手の特徴も異なります。それぞれどういったタイプの人と接することが多いのか見ていきましょう。

カウンセラーのクライエント

カウンセラーのクライエントは、心の悩みや不安を抱えている人が中心です。精神疾患を抱えた人の相談に乗ることもありますが、その手前でカウンセリングを行うケースが多いことも特徴といえます。

セラピストのクライエント

セラピストは精神医学が発展して誕生したものであり、元々は精神科の医師が行っていました。そのためクライエントのことは「患者」ということもあります。具体的な症状(疾患)を抱えた人がクライエントになることが基本であり、能動的なアドバイスを重視するのはこのためです。

カウンセラーとセラピストの「資格」の違い

勉強する人の手元

カウンセラーとセラピストは取得する資格の内容も異なります。たとえばカウンセラー向けの資格を取得し、セラピストとして生かすことは困難です。資格の違いについてそれぞれ解説するので、どちらの道に進むのかを決めたうえで必要な資格を取得しましょう。

カウンセラーの資格

カウンセラーにとっての必須資格はありません。ただし医療現場や学校などで働く場合、国家資格である公認心理師や、臨床心理士・認定心理士といった難易度の高い民間資格が必要です。その他、以下のように心理カウンセリングに関する民間資格は多くあります。

<カウンセラーが取得している主な民間資格>

資格名国家/民間概要
臨床心理士民間心理査定や面接査定に関する知識を持てる
認定心理士民間心理学の標準的な基礎知識・技術が認定される
メンタル士心理カウンセラー®民間ストレスによる症状とその対処法の知識を持てる
メンタル心理カウンセラー民間学校、医療、福祉などで求められる知識を持てる
メンタルケアカウンセラー民間心の病気や、心理学の初歩に関する知識を持てる
メンタルケア心理士民間解剖生理学や薬理学などの知識を持てる
チャイルドカウンセラー民間子どもの心に寄り添うための知識を持てる
家族療法カウンセラー民間家族の関係性を円滑にするための知識を持てる
キャリアカウンセラー民間職業選択をサポートするための知識を持てる

セラピストの資格

セラピストにも必須資格はありません。ただし医療現場で働く場合は国家資格が必要です。

<セラピストが取得している主な国家資格>

  • 臨床心理士
  • 鍼灸師
  • あん摩指圧マッサージ師
  • 柔道整復師
  • 理学療法士
  • 作業療法士

医療行為ではない、リラクゼーション系の資格としては以下が代表的です。

<リラクゼーション系の主な資格>

  • リンパセラピスト
  • アロマセラピスト
  • エステティシャン
  • ボディセラピスト

カウンセラーとセラピストの「職場」の違い

カウンセラーとセラピストは職場も異なります。職場の幅としてはカウンセラーのほうが多い傾向にありますが、独立開業する人が多いことはどちらも同じです。

カウンセラーの職場

カウンセラーの職場は、以下のとおり大きく5つのジャンルにわかれます。

【カウンセラーの職場】

医療現場病院、クリニックの精神科や心療内科など
介護高齢者向け施設、介護施設など
会社内医務室、保健室、カウンセリングルームなど
保健所精神衛生相談室など
司法刑務所や少年院など
その他個人経営のカウンセリングルーム、児童相談所など

セラピストの職場

セラピストの職場は以下が中心です。

【セラピストの職場】

医療現場病院、クリニック、リハビリテーション病院など
介護高齢者向け施設、介護施設など
施療院整体院など
その他アロマサロン、エステなど

取得する資格によって職場は大きく異なります。医療系の国家資格を取得すると医療現場や介護施設で、リラクゼーション系の民間資格なら施療院やサロンなどで働きます。

カウンセラーとセラピストに共通すること

カウンセラーが話す様子

その他、カウンセラーとセラピストに共通するのは以下の4点です。

<カウンセラーとセラピストに共通すること>

  • 国家資格と多くの民間資格がある
  • 職場によって役立つ資格・必要な資格が異なる
  • 収入は職場や本人のスキルによる
  • 個人での開業も目指せる

それぞれわかりやすく解説しましょう。

国家資格と多くの民間資格がある

いずれも仕事にも国家資格があり、それ以外にも多くの民間資格があります。国家資格の数はセラピストのほうが多く、より権威性の高い資格を取得できるでしょう。一方で、民間資格はカウンセラーのほうがバリエーションは豊かです。医療施設や介護施設にも、民間資格を使って就職・転職を狙えます。

職場によって役立つ資格・必要な資格が異なる

職場によって役立つ資格や必要な資格が異なります。たとえばカウンセラーの場合、教育カウンセラーは原則として教育現場のみで役立つ資格ですし、産業カウンセラーは一般企業で生かせる資格です。取得する資格によって働ける場所が変わるため、やりたい仕事から逆算して必要な資格を取得しましょう。

収入は職場や本人のスキルによる

いずれの職業も、職場や本人のスキルによって年収が異なります。業種により極端な格差が生じることはないものの、資格を生かせる業種・職種が多いぶん、就職先の規模が異なるためです。複数の資格を取得し、活躍する場を増やすことにより、年収アップを目指しやすくなります。

個人での開業も目指せる

カウンセラー、セラピストいずれも独立開業を目指せます。従来は実店舗でカウンセリングを行うケースが目立ちましたが、最近ではインターネット上でカウンセリングを行うカウンセラー・セラピストも増えてきました。家賃などのコストがかかりにくいため、気軽に開業を目指せる状況です。

カウンセラーとセラピスト、どちらを選ぶべき?

セラピストと話す様子

カウンセラーとセラピストの特徴を整理して、カウンセラーとセラピストのどちらを選ぶべきかまとめます。

<カウンセラーに向いている人>

  • 他者の話や心理状態に興味を持てる人
  • 根気強く対話ができる人
  • 物事を客観的に見る能力にたけている人

カウンセラーは傾聴が基本です。相手の話のペースにあわせて、根気強く対応する能力が求められます。

<セラピストに向いている人>

  • コミュニケーション能力が高い人
  • リラクゼーション系で働く場合は体力に自信のある人
  • 他者に喜んでもらうのが好きな人

セラピストの場合は能動的にクライエントと接します。相手の気持ちを酌み取りつつ、具体的な改善策を伝える必要があるため、コミュニケーション能力が必須です。

まとめ

カウンセラーとセラピストは役割、クライエント、資格、職場などが異なります。それぞれ適性が異なるため、まずはご自身がどちらに向いているのかを分析しましょう。いずれもたくさんの資格がありますから、働きたい業種で必要とされる資格の取得をおすすめします。

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