ぬか漬けとは、ひと言でいうと「ぬか床に漬けて作った漬け物」です。
「ぬか床」の「ぬか(米ぬか)」は、玄米を精米するときに出る「米の外皮や胚芽」です。
皆さんご存じの通り、白米は玄米よりも栄養価が低くなっています。
それは玄米から白米に精米する過程で、多くの栄養分が失われてしまうためです。
その原因は、玄米についている栄養素が豊富な米ぬかを削ってしまっていることにほかなりません。
ぬか漬けは栄養価が高い米ぬかに、塩や水などを混ぜて発酵させた「ぬか床」を作り、そこへ野菜などを漬け込んだ漬け物で、健康効果が期待できる食品です。
ぬか漬けには、腸活に欠かせない乳酸菌が豊富に含まれています。
ぬか漬けに注目が集まった要因のひとつとして、発酵食品であることも挙げられます。
腸の働きが人間の健康に大きく関わることが広く知れ渡り、大腸や小腸によいとされる食品や生活習慣がクローズアップされ、腸活ブームが到来しました。これをきっかけとして、ぬか漬けが健康食品として見直されるようになりました。
日本古来の発酵食品「ぬか漬け」に興味を持ち、取り入れる人が増えてきています。
特にぬか漬けに含まれる植物性の乳酸菌は、日本人の体質に合っているとされ、毎日少しずつ摂取することで次第に腸内環境が整っていき、健康維持への高い効果が期待できることは魅力的です。
腸内環境の改善で期待できる効果は、ほかにも次のようなものがあります。
* 美肌効果
* お通じの改善
* 免疫力向上
* アレルギー症状の緩和
* 代謝機能の向上
* 精神衛生の向上
また、ぬか漬けに含まれるのは乳酸菌だけではありません。
代表的な善玉菌である乳酸菌以外にも、ぬか床には10種類以上もの善玉菌が存在しているといわれます。
乳酸菌が豊富な食品の代表格であるヨーグルトでさえも、種類は1〜2種類ほどしか含まれておらず、さまざまな種類の善玉菌を摂取するにはぬか漬けが適しているといえるでしょう。
乳酸菌の数はヨーグルトの方が多いとされていますが、ぬか漬けの熟成度合いによっては、ヨーグルトと遜色ない程度まで増やすことも可能です。
食材をぬか漬けにすることで食材が本来持つ栄養素に、ぬか床に含まれる栄養素が加わって栄養価がアップすることも知られています。
先述した通り、ぬか床の元となる米ぬかには、栄養分が豊富に含まれています。
そのぬか床に食材を漬けてぬか漬けにするだけで、ぬか床の栄養分が食材に移るため栄養価がアップするのです。
ぬか漬けの代表的な栄養素を具体的にご紹介します。
* ビタミンB1(糖質の代謝など)
* ビタミンB2(糖質・脂質・タンパク質の代謝、皮膚・粘膜の機能維持など)
* ビタミンB6(タンパク質の分解・合成、皮膚・粘膜の機能維持、ホルモンバランス調整など)
* ビタミンE(体内の脂質酸化防止など)
* カルシウム(骨・歯の形成など)
* マグネシウム(骨・歯の形成、神経伝達、筋収縮制御など)
* カリウム(むくみ改善・高血圧改善・神経伝達など)
* ポリフェノール(抗酸化作用など)
上記のように野菜を生で食べるだけでは摂取できない栄養が、ぬか漬けにすることで取り入れられます。
もともと素材が持つ栄養も、ぬか漬けにするとさらに増える効果も知られています。
なお、漬け物を食べる際、塩分が気になる場合はカリウムが比較的多い野菜を漬けるとよいでしょう。
カリウムは、余分な塩分を体外に排出してくれるからです。
例を挙げると次の通りです。
* ほうれん草
* 豆類(加工品含む)
* にんじん
* アボカド
* イモ類
* 海藻類
カリウムは、通常の食生活においては過不足なく摂取できると考えられていますが、意識的に多量に摂取した場合は不調をきたしかねません。
いくら体によい食べ物でも適量を心がけましょう。
特に塩分が制限される高血圧症や、腎機能が低下しカリウムが制限されている方は十分な注意が必要です。
野菜をぬか漬けにして食べると、豊富な栄養を壊すことなく摂取できます。
一般的に、野菜から十分な栄養をとりにくい理由として「生野菜ではあまり量を食べられず、加熱すると栄養が失われやすい」点が挙げられます。
たとえ栄養価が高い食べ物であっても、保存や調理の過程で損なわれてしまっては、効率的に栄養をとれません。
ぬか漬けなら一切加熱せず、野菜などをぬか床に漬けるだけなので、素材の栄養を壊すことなく摂取することが可能です。
ぬか漬けで野菜本来の栄養素に加え、ぬか床から移った栄養をムダなく摂取しましょう。
「ぬか漬けソムリエ」は、日本安全食料料理協会(JSFCA)が認定する資格です。
ぬか漬けの歴史や作り方、ぬか漬けのお手入れ法・栄養効果など、ぬか漬けに関する基礎知識がひと通り身につけられると、ぬか漬けソムリエと認定されます。
、ぬか床のトラブルの原因や対処法などの知識も習得できるため、自宅でぬか漬けを作る際にも役立つでしょう。
ぬか漬けソムリエ資格の講座は、1日30分ほどの勉強時間で取得することが可能です。
講座申し込みの際「プラチナコース」や「スペシャル講座」を選ぶと、添削物を提出するだけで「ぬか漬けソムリエ」と「ぬか床ソムリエ」の2つの資格が取得できます。
「せっかく受験料を支払ったのに不合格だった」という心配もないため、おすすめのコースです。
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 1万円(税込) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の正答率 |
資格取得後は、自宅でさまざまなぬか漬けを楽しめるだけでなく、青果店などでの食材の販売や飲食店など仕事でも活用できます。
ぬか漬けソムリエの資格や講座の詳細は、下記のサイトをご覧ください。
SARAスクールジャパン「ぬか漬けソムリエ基本コース/プラチナコース」
諒設計アーキテクトラーニング「ぬか漬けソムリエW資格取得講座」
日本安全食料料理協会(JSFCA)「ぬか漬けソムリエ資格認定試験詳細・日程」
「ぬか床ソムリエ」は、日本インストラクター技術協会(JIA)が認定する資格です。
ぬか床ソムリエの資格取得で、ぬか漬けの健康効果や美容効果、ぬか漬けに合う食材やぬか漬けのリメイクレシピに関する知識などを有することが証明されます。
ほかにも、豆腐やチーズ・フルーツなどのぬか漬けの栄養や漬け方も学べるため、レシピのバラエティが広がりそうです。
健康や美容に関心がある方にもおすすめの資格で、キャリアアップにも活用できます。
通信講座のため自宅に居ながらにして学べ、試験も在宅で受けられます。
「ぬか床ソムリエ」「ぬか漬けソムリエ」のW取得や、最短2か月での取得も可能です。
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資格取得後は、ぬか漬けの健康効果や美容効果を最大限活かして家族の健康に寄与できるほか、講師活動をすることも可能です。
ぬか床ソムリエの資格や講座の詳細は、下記のサイトでご確認ください。
日本インストラクター技術協会(JIA)「ぬか床ソムリエ(ぬか漬け資格)試験日程」
諒設計アーキテクトラーニング「ぬか漬けソムリエW資格取得講座」
ぬか漬けマイスターは、日本ぬか漬け協会が認定します。
インターネット上にぬか漬けに関する問題が公開されていて、全問正解すると認定証が送られてきます。
資格としての効力はありませんが、基本的な知識を身につけられるため、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
調べながら解答することもできるので、すぐにチャレンジできます。
日本ぬか漬け協会「ぬか漬けマイスター認定試験問題」
ぬか漬けコンシェルジュRは、株式会社Shiinukaが主催・認定します。
講座はLesson1〜Lesson4まであり、充実した内容となっています。
たとえばLesson1では、漬け物やぬか漬けのルーツからぬか漬けの栄養・効果、乳酸菌の種類やぬか床について座学で学び、実習ではぬか漬けとぬか床の食べ比べや、ぬか床の調整の仕方など初心者でも取り組みやすいカリキュラムです。
すべてのカリキュラムを修了し、ぬか漬けの講師ができるようになったら、「Pro講師」登録後に講座を開催することもできます。
ぬか漬けコンシェルジュ会・ブラッシュアップ会など、ほかの講師とも交流をする機会が設けられており、横のつながりが築きやすい環境です。
試験はなく、講座を修了することで認定される仕組みとなっており、オンライン受講を希望した場合でも最終回はShiinukaへ赴く必要があります。
受講料 | 8万8,000円 |
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コンシェルジュ会年会費 | 5,500円(2年目より) |
Pro講師登録料 | 1万1,000円(講習あり) |
Pro講師年会費 | 1万1,000円 |
詳細は下記サイトでご確認ください。
Shiinukaぬか漬けコンシェルジュ®講座
ほんの少しだけ余ってしまった野菜も、ぬか漬けにすればおいしくいただけます。
料理をしているとき「野菜が少しだけ余り、ほかに使い道がない」ことはありませんか?
そのまま冷蔵庫に入れるといつの間にか隅に追いやられ、傷んでやがて捨てられる運命となることが多いため、可能ならばその場で使いきりたいもの。
そのようなときにもぬか床があれば、ただ漬けるだけでおいしいぬか漬けにできます。
おいしいぬか漬けができるうえにゴミが減り、フードロスの削減にもつながるため、一石二鳥といえるでしょう。
自宅にぬか床があれば、ぬか漬けの味を自分好みに調整できます。
ぬか漬けの味を決めるのは、主に「素材の味」「ぬか床の味」「漬ける時間」です。
同じ素材でも、ぬか床の味や漬ける時間で味は変わります。
したがって、ぬか床に好きな副材料を入れたり、好みの味になるまで漬けたりすることで自分だけのオリジナルなぬか漬けにすることが可能です。
ただし、初心者には味の加減が少し難しいかもしれません。
詳しい方に教えてもらったり、自分で経験を積んだりすることで、だんだんと自分好みのおいしいぬか漬けを作れるようになるでしょう。
自分の好きな材料を使ってぬか漬けが作れるのも、自分のぬか床があればこそ。
スーパーなどで販売されているぬか漬けは、かぶ・きゅうり・にんじんなど、定番の材料が多いものです。
はじめは、一般的な食材のぬか漬けからおいしさを知るかもしれませんが、魅力を感じるにつれてだんだん他の食材でも味わってみたくなるかもしれません。
自宅にぬか床があれば、自分の好きな材料をぬか漬けにして楽しめます。
ぬか床に材料を沈めて、浸かるのを待つ間のワクワク感も楽しみのひとつ。
意外な材料がおいしく浸かることを発見したら、SNSにアップしたくなるかもしれません。
自分でぬか床から作ると、ぬか漬けを購入するより断然オトクです。
たまに食べる程度であれば市販のぬか漬けを購入する方が手軽ですが、ぬか漬けを継続して食べるならそのたび購入するのは大変ですし、お金もかかります。
それならば、市販のぬか床を購入して自分で漬けた方が、買いに行く手間もなく簡単で経済的。
しかし、もっとも経済的なのは自分でぬか床を作ることです。
自宅でぬか床を作るため必要な米ぬかは、だいたい1〜2kgほど。
価格にして数百円〜2,000円程度です。
ほかに必要なものは、塩と水(必須)、赤唐辛子やこんぶ(お好みにより別の材料でも)、野菜くず(野菜の捨てる部分)くらいで、それほど材料費はかかりません。
市販のぬか床はさまざまあり、価格にして1kgで約1,000〜3,000円です。
すぐに漬けられて便利ですが、米ぬかに比べるとやや高め。
ただ、はじめて自分でぬか漬けを漬ける場合には、失敗しにくい点で優れているといえます。
ぬか床は一般的に、毎日かき混ぜる必要があります。
そのひと手間で「手がきれいになる」のは、よく聞く話です。
かき混ぜる理由は、ぬか床の表面が空気に触れているため、空気が好きな「産膜酵母」が増えるからです。
産膜酵母が増えすぎると、いやな臭い(シンナー・カビのようなと表現されます)を発してしまいます。
もうひとつ、酪酸菌は産膜酵母と逆でぬか床の底の方で増殖する細菌です。
こちらは増えすぎると、靴の中で蒸れた靴下のような臭いを発します。
これらの微生物が増えすぎないように、ぬか床の上下を返すよう毎日かき混ぜる必要があります。
ただし、冷蔵庫内など温度が低い場合は乳酸菌があまり増えないため、毎日でなくてもよいでしょう。
ぬか漬けでの美肌効果は、食べることだけでなく、ぬか床に毎日触れていることでも得られます。
ぬか漬けは、ぬか床に野菜などを沈めておくだけでできるため、忙しい方にもおすすめの食べ物です。
腸活に欠かせない乳酸菌が豊富に含まれ、食材本来の栄養素のほかにもさまざまな栄養が摂取できるため、継続して食べたい食品でもあります。
ぬか漬け資格を取得するなら、そのような奥深いぬか漬けやぬか床についても詳しく学ぶ必要があるため、講座を受講するのがおすすめです。
ぬか漬け資格の取得後は、家族の健康管理に役立つだけでなく、食品関係の仕事や講師活動にもつながります。
ぬか漬け資格の取得を通じて、健康的な食習慣を身につけませんか?